COLUMN
看護職お役立ちコラム

看護師は休職できる?
給料・期間・手続き・復職の流れを解説

看護師は、勤務先の休職制度の条件を満たせば、退職せずに休職できます。 休職中に給料が出なくても、条件を満たせば傷病手当金を受け取れる場合があり、収入がすぐに途絶えるとは限りません。
ただし、休職できる期間や給料の扱いは、勤務先の就業規則によって異なります。 この記事では、休職の条件や期間、休職中の給料と傷病手当金、休職から復職までの流れを解説します。 元の職場に戻りにくいときの選択肢も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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看護師の仕事は休職できる

看護師は、勤務先に休職制度があり、その条件を満たしていれば休職できます。 まずは休職がどのような制度なのかを、退職や有給休暇との違いとあわせて確認しましょう。

1.休職とは雇用関係を維持したまま一定期間仕事を休むこと
2.休職制度の有無や条件は勤務先によって異なる

●休職とは雇用関係を維持したまま一定期間仕事を休むこと

休職は、職場との雇用関係を維持したまま、一定期間仕事を休むことです。 厚生労働省では、休職を「労働者としての身分を保有したまま一定期間就労義務を免除する特別な扱い」と説明しています。 休職と似た言葉との違いは、以下のとおりです。

休職は退職とは異なり、体調などが回復したあとに職場へ戻ることを前提とした制度です。 仕事を続けるのがつらいと感じても、すぐに退職を決める必要はありません。

参照:厚生労働省 モデル就業規則について

●休職制度の有無や条件は勤務先によって異なる

休職制度があるかどうかや、休職できる条件は勤務先ごとに異なります。厚生労働省の「モデル就業規則」でも、休職の定義や休職期間の制限、復職については労働基準法に定めがないと説明されています。つまり、休職のルールは、各病院の就業規則や休職規程で決められています。そのため、下記のような点が病院によって異なります。
・休職できる対象者(勤続年数や雇用形態の条件など)
・休職が認められる理由
・休職できる期間と延長できるかどうか
・休職中に給料が支払われるかどうか 休職を考え始めたら、まずは勤務先の就業規則や休職規程を確認しましょう。

看護師の休職理由とは?

看護師が休職する理由はさまざまです。 ここでは、看護師に多い休職理由を、心の不調・体の不調・キャリア上の理由の3つに分けて紹介します。

1. メンタルヘルスの不調
2. 病気・けがなど身体的な不調
3. 留学や資格取得などキャリア上の理由

●メンタルヘルスの不調

看護師の休職理由として多いのが、うつ病や適応障害などのメンタルヘルスの不調です。日本看護協会の「2025年 病院看護実態調査」では、2024年度に病気で1か月以上の連続休暇を取得した正規雇用の看護職員がいた病院は72.6%でした。そのうち、メンタルヘルス不調で連続休暇を取得した看護職員がいた病院は79.5%で、1病院あたりの平均人数は5.4人でした。
参照:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」p20
 ・職場の人間関係や、患者・家族への対応
・人の命を預かる責任の重さ
 ・人手不足による業務量の多さ
 ・夜勤や交代制勤務による生活リズムの乱れ 気分の落ち込みや眠れない状態が続くときは、ひとりで抱え込まず、早めに医療機関に相談しましょう。

●病気・けがなど身体的な不調

病気やけがで治療や療養が必要になり、休職するケースもあります。看護師は、患者の移乗や体位変換などで前かがみや中腰の姿勢をとることが多く、腰に負担がかかりやすい仕事です。厚生労働省でも、医療機関などでの看護作業を、腰痛予防の対策が必要な作業として取り上げています。
参照:厚生労働省 介護・看護作業による腰痛を予防しましょう
病気やけがの原因が仕事中や通勤中にあるかどうかで、受けられる公的な補償が変わります。詳しくは、後の章で解説するので参考にしてください。

●留学や資格取得などキャリア上の理由

看護師の中には、留学や進学、資格取得などキャリアアップのために休職する人もいます。 たとえば、以下のようなケースです。

・海外で医療や語学を学ぶための留学
・看護系の大学院への進学
・認定看護師や専門看護師を目指すための教育課程への参加
ただし、キャリア上の理由による休職が認められるかどうかは、勤務先の休職規程によって異なります。希望する場合は、早めに上司や人事担当者に制度があるかを確認しておきましょう。なお、妊娠・出産・育児・介護のために仕事を休むときは、受けられる手当が異なります。該当する場合は、勤務先の人事担当者に確認しましょう。

看護師が休職する前に確認しておきたいこと

休職のルールは勤務先ごとに異なります。 休職を申し出る前に、就業規則や休職規程で以下の6つを確認しておきましょう。

休職中も健康保険と厚生年金保険には加入したままなので、給料が出なくても保険料の支払いは続きます。 また、休職期間が終わっても復職できない場合は、勤務先によって扱いが異なるので注意しましょう。

看護師が休職するまでの流れ

ここからは、看護師が休職するまでの一般的な流れを6つのステップで紹介します。

1. 就業規則・休職規程を確認する
2. 心身に不調がある場合は医療機関を受診する
3. 必要に応じて診断書を準備する
4. 上司・人事担当者に休職を相談する
5. 休職届など必要書類を提出する
6. 体調に無理のない範囲で引き継ぎする

●就業規則・休職規程を確認する

最初に、勤務先の就業規則や休職規程を確認しましょう。 労働基準法では、常時10人以上の労働者を使用する職場に就業規則の作成を義務づけ、その内容を職場への掲示や書面の交付などで労働者に周知することを求めています。
参照:就業規則作成・届出に関するFAQ
そのため、多くの病院では、職員が就業規則を確認できるようになっています。 確認するのは、以下のような点です。
・休職制度があるかどうか
・申請に必要な書類(休職届・診断書など)
・申請の期限や手続きの流れ
・休職できる期間
どこで見られるかわからない場合は、人事担当者に閲覧方法を問い合わせましょう。

●心身に不調がある場合は医療機関を受診する

心や体の不調が続いている場合は、医療機関を受診します。
医療の知識があると、自分の症状から病名を考えてしまうこともあるでしょう。
しかし、自分のことは客観的に判断しにくいため、自己判断で病名を決めず、医師の診察を受けましょう。 受診するときは、以下のことを医師に伝えると、仕事を続けられる状態かを判断してもらいやすくなります。
・いつから、どのような症状があるか
・夜勤の有無や勤務時間などの働き方
・仕事で負担に感じていること
気分の落ち込みや不眠などが続く場合は、心療内科や精神科が相談先になります。

●必要に応じて診断書を準備する

休職を申し出るときに診断書が必要かどうかは、勤務先の規定によって異なります。提出を求められる場合は、主治医に休職のための診断書を書いてもらいましょう。診断書の発行には、医療機関ごとに決められた費用がかかります。なお、傷病手当金を申請する場合の医師の証明は、休職用の診断書とは別のものです。協会けんぽの傷病手当金支給申請書には「療養担当者記入用」のページがあり、そこに医師が記入します。休職用の診断書を提出しても傷病手当金の手続きは済まないため、申請するときはあらためて医師に記入を依頼しましょう。
参照:協会けんぽ 傷病手当金支給申請書の記入の注意点

●上司・人事担当者に休職を相談する

休職したい気持ちが固まったら、看護師長など直属の上司に相談します。相談するときは、以下の内容を伝えると話が進みやすくなります。
・現在の体調と、医師の意見
・休職を希望する時期と、おおよその期間
・休職中の連絡方法の希望 体調が悪く直接話すのが難しい場合は、電話やメールで連絡してもよいか相談しましょう。常時50人以上が働く職場には産業医の選任が義務づけられているため、勤務先に産業医がいる場合は面談での相談も可能です。
参照:厚生労働省 産業医について
病名などの健康情報は、厚生労働省の指針でも、取り扱う人や目的を限定して管理すべき情報とされています。
参照:厚生労働省 メンタルヘルス対策における職場復帰支援
病名が職場でどこまで共有されるか気になる場合は、診断書を誰が確認するのかを人事担当者に確認しておくと安心です。

●休職届など必要書類を提出する

休職が認められたら、勤務先が指定する書類を提出します。一般的には、休職届と、求められた場合は診断書を提出します。休職届には、休職の理由や期間、休職中の連絡先などを書くのが一般的です。書式や提出先、提出期限は勤務先ごとに異なるため、人事担当者の案内に従いましょう。出勤するのが難しい場合は、郵送などで提出できるかを確認しておくと安心です。なお、傷病手当金の支給申請書には勤務先が記入するページもあるため、申請の流れもこのときに確認しておくと、休職後の手続きがスムーズです。提出した書類はコピーを手元に残しておきましょう。

●体調に無理のない範囲で引き継ぎする

休職に入る前に、担当していた業務をできる範囲で引き継ぎます。引き継ぎをしておくと、患者へのケアが途切れにくくなり、同僚の負担も減らせます。ただし体調によっては、出勤して引き継ぎをするのが難しい場合もあるでしょう。その場合は無理に出勤せず、下記のような方法を上司に相談してみてください。
・担当患者や業務の要点をメモにまとめて渡す
・電話やメールで必要なことだけを伝える
・引き継ぎの段取りを上司に任せる
引き継ぎよりも、まずは自分の体調を優先して構いません。

看護師の休職期間はどれくらい?

休職できる期間は法律で一律に決まっておらず、勤務先によって大きく異なります。ここでは、休職期間の決まり方と、延長や期間満了後の扱いについて解説します。

1. 休職期間は勤務先の就業規則等によって異なる
2. 休職期間を延長できる場合もある
3. 休職期間が満了しても復職できない場合

●休職期間は勤務先の就業規則等によって異なる

休職できる期間の上限は、勤務先の就業規則や休職規程で決められています。厚生労働省の「モデル就業規則」でも、休職期間は「◯年以内」のように空欄になっており、各職場が決める形です。
参照:厚生労働省 モデル就業規則について
労働政策研究・研修機構の「治療と仕事の両立に関する実態調査(企業調査)」によると、欠勤期間を含めた休職期間の上限は「6か月超から1年まで」が17.2%で最も多く「1年超から1年6か月まで」が16.2%で続きます。一方で「1か月以下」の会社も4.4%あり、勤務先によって大きな差があります。
参照:独立行政法人 労働政策研究・研修機構(JILPT)「治療と仕事の両立に関する実態調査」(企業調査)
実際に休む期間は、上限の範囲内で、主治医の診断書に書かれた療養期間などをもとに勤務先と相談して決めます。 まずは自分の勤務先で、最長どのくらい休めるのかを確認しておきましょう。

●休職期間を延長できる場合もある

休職期間が終わる時点で体調が回復していない場合、勤務先の規定によっては休職期間を延長できるケースがあります。ただし、延長できるかどうかや、延長の条件は勤務先ごとに異なるので確認しましょう。延長する場合は、以下のような書類や手続きを求められることがあります。
・主治医による、療養の継続が必要であることを示す診断書
・人事担当者や産業医との面談
・延長を希望する申請書の提出
延長の手続きは時間がかかりやすく、休職期間の終わりが近づいてから慌てることのないよう、早めに相談しておくとよいでしょう。なお、傷病手当金の支給期間は、協会けんぽの場合、支給開始日から通算1年6か月です。 休職期間を延長しても、傷病手当金の支給期間が延びるわけではない点に注意しましょう。
参照:協会けんぽ 傷病手当金

●休職期間が満了しても復職できない場合

休職期間が終わっても復職できない場合の扱いは、勤務先の就業規則によって異なります。厚生労働省の「モデル就業規則」では、休職期間が満了しても傷病が治らず働くことが難しい場合は「休職期間の満了をもって退職とする」という規程例が示されています。
参照:厚生労働省 モデル就業規則について
このように休職期間の満了で退職となるのか、ほかの扱いになるのかは、勤務先の就業規則で確認する必要があります。ただし、仕事が原因の病気やけがで療養している場合は、扱いが異なるので注意しましょう。業務上の病気やけがで療養のため休業している期間とその後30日間は、原則として解雇できません。休職期間満了による退職扱いにこの規定が及ぶかは、個別事情や裁判例によって判断されます。
参照:労働基準法 第19条(解雇制限)
期間満了後の扱いは個別の事情によっても変わるため、早めに就業規則を確認し、人事担当者に相談しておきましょう。

看護師が休職すると給料はどうなる?

休職中の給料は勤務先によって異なり、無給になる場合もあります。ここでは、休職中の給料と公的な給付、休職中も支払いが続くお金について解説します。

1. 休職中の給料は勤務先によって異なる
2. 業務外の病気・けがなら傷病手当金を受け取れる場合がある
3. 仕事・通勤が原因なら労災保険の給付対象となる場合がある
4. 休職中の社会保険料は原則支払う必要がある
5. 休職中の住民税は原則支払う必要がある
6. 休職中も厚生年金保険料は原則支払う必要がある
7. 休職中のボーナスは事業者によって異なる

●休職中の給料は勤務先によって異なる

休職中に給料が支払われるかどうかは、勤務先の就業規則などで決まっています。厚生労働省の「モデル就業規則」では、休職期間を無給とするか有給とするかは、各事業場で決めて就業規則に定めるよう説明されています。
参照:厚生労働省「モデル就業規則」
規程例としては「休職期間中は、原則として賃金を支給しない」としたうえで「◯か月までは◯割を支給する」と一部を支給する書き方も示されています。そのため、休職中は無給になる場合もあれば、一定期間だけ給料の一部が支払われる場合もあるでしょう。休職に入る前に、給料がいつまで、どのくらい支払われるのかを確認しておきましょう。

●業務外の病気・けがなら傷病手当金を受け取れる場合がある

仕事以外の原因による病気やけがで休職し、給料を十分に受け取れない場合は、健康保険の傷病手当金を受け取れるケースがあります。ここでは、協会けんぽに加入している場合の内容を紹介します。
受け取るための4つの条件
傷病手当金を受け取れる条件は、以下の4つです。
・業務外の病気やけがの療養のための休業であること(自宅療養の期間も対象)
・仕事に就くのが困難であること(医師の意見をもとに、仕事の内容を考慮して判断)
・連続する3日間を含み、4日以上仕事に就けなかったこと
・休業した期間について、給与の支払いがないこと
最初の連続した3日間は「待期」と呼ばれ、4日目から支給の対象になります。待期には有給休暇や土日・祝日も含まれますが、休みが連続して3日間ないと成立しません。
1日あたりの金額
支給開始日以前の12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額を30で割り、その3分の2が1日あたりの金額です。協会けんぽの例では、標準報酬月額の平均が17万円の場合、1日あたりの支給額は3,780円になります。加入期間が12か月に満たない場合は、直近の各月の標準報酬月額の平均と、32万円(支給開始日が令和7年4月1日以降の場合)のいずれか低い額で計算します。
受け取れる期間
支給を開始した日から通算して1年6か月です。
給与が支払われた場合
休業中に給与が支払われている間は、傷病手当金は支給されません。ただし、給与の額が傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が支給されます。
退職した場合
退職日までに継続して1年以上加入しており、退職日に傷病手当金を受けているか受けられる状態であれば、退職後も引き続き受け取れます。申請には、本人・勤務先・医師がそれぞれ記入した支給申請書が必要です。受け取る権利は、仕事に就けなかった日ごとにその翌日から2年で時効になるため、早めに申請しましょう。健康保険組合や共済組合に加入している場合は、加入先の制度を確認してください。
参照:協会けんぽ 傷病手当金

●仕事・通勤が原因なら労災保険の給付対象となる場合がある

仕事や通勤が原因で生じた病気やけがは、労災保険の給付対象となる場合があります。労災保険は、業務上の理由による病気やけが(業務災害)と、通勤による病気やけが(通勤災害)を補償する制度で、パートやアルバイトも対象です。腰痛などのけがだけでなく、仕事による強いストレスが原因の精神障害も、労災と認められる場合があります。
休業中に受け取れる給付
以下3つの条件を満たすと、休業4日目から「休業(補償)等給付」と「休業特別支給金」が支給されます。
・業務上の理由または通勤による病気やけがの療養のためであること
・労働することができないこと
・賃金を受けていないこと
支給額は、休業(補償)等給付が給付基礎日額の60%、休業特別支給金が20%で、あわせて給付基礎日額の80%です。給付基礎日額とは、原則として、病気やけがの原因となった事故が起きた日などの直前3か月間に支払われた賃金をもとに計算した1日あたりの額です。
最初の3日間の扱い
休業の初日から3日目までは待期期間で、業務災害の場合は勤務先が労働基準法にもとづき、1日につき平均賃金の60%を補償します。通勤災害の場合は、勤務先の補償責任について法令上の定めはありません。
請求の方法
業務災害は「休業補償給付支給請求書」、通勤災害は「休業給付支給請求書」を、勤務先を管轄する労働基準監督署長に提出します。療養を始めてから1年6か月が経っても治っていない場合は、傷病(補償)等年金に切り替わることがあります。
参照:厚生労働省 労災補償
参照:厚生労働省「休業(補償)等給付 傷病(補償)等年金の請求手続」
参照:厚生労働省「令和7年度 過労死等の労災補償状況」

●休職中の社会保険料は原則支払う必要がある

休職中も勤務先に在籍しているため、健康保険には加入したままで、保険料の支払いも続きます。健康保険法では、保険料は本人と勤務先が半分ずつ負担すると定められています。保険料は標準報酬月額をもとに計算されます。日本年金機構によると、病気欠勤などで4月・5月・6月に報酬をまったく受けない場合、標準報酬月額は従前の額で決まります。そのため、休職で給料がなくても、保険料が0円になるわけではありません。40歳から64歳までの人は、介護保険料(令和8年度は全国一律1.62%)もあわせて支払います。また、協会けんぽでは、令和8年4月分から子ども・子育て支援金(0.23%)も加わっています。給料から差し引けない期間の支払い方法は、勤務先に確認しておきましょう。なお、日本年金機構が案内している保険料の免除は、産前産後休業と育児休業等の期間が対象です。
参照:e-Gov法令検索「健康保険法」第161条
参照:日本年金機構「保険者決定」
参照:協会けんぽ「令和8年度の協会けんぽの保険料率」
参照:日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」

●休職中の住民税は原則支払う必要がある

住民税には、所得に応じてかかる「所得割」と、所得にかかわらず定額でかかる「均等割」があります。所得割は、前年1月1日から12月31日までの所得をもとに計算されます。そのため、休職して今年の収入が減っても、前年に収入があれば住民税の支払いは続きます。会社員の場合、住民税は原則として、勤務先が給料から差し引いて市町村に納める「特別徴収」で納めます。休職中に給料が出ない、または少ない場合は、給料から差し引けない期間の納め方を人事担当者に確認しておきましょう。なお、健康保険法では、保険給付として受け取ったお金に税金などを課すことはできないと定められています。そのため、傷病手当金は所得税や住民税の対象になりません。
参照:総務省「個人住民税」
参照:e-Gov法令検索「健康保険法」第62条

●休職中も厚生年金保険料は原則支払う必要がある

休職中も勤務先との雇用関係は続くため、厚生年金保険料の支払いも続きます。日本年金機構によると、厚生年金保険料は「標準報酬月額×保険料率」で計算され、保険料率は18.3%です。保険料は、勤務先と本人が半分ずつ負担します。標準報酬月額は、毎年4月から6月の報酬をもとに決まりますが、病気欠勤などでこの3か月に報酬をまったく受けない場合は、従前の標準報酬月額で決まります。また、休職中に勤務先から休職手当が支払われる場合、休職手当も保険料の計算の対象になる報酬に含まれます。保険料が免除されるのは、産前産後休業と育児休業等の期間です。病気やけがによる休職は免除の対象として案内されていないため、給料が出なくても保険料はかかります。給料から差し引けない期間の納め方は、健康保険料とあわせて勤務先に確認しましょう。
参照:日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
参照:日本年金機構「保険者決定」
参照:日本年金機構「厚生年金保険料等の免除(産前産後休業・育児休業等期間)」

●休職中のボーナスは事業者によって異なる

休職中にボーナス(賞与)が支給されるかどうかは、勤務先の賃金規程や賞与規程によって異なります。厚生労働省でも、賞与は法律で支給が義務づけられているものではないと説明されています。そのうえで、賞与を支給する場合は、支給対象時期や算定基準、査定期間などを就業規則で明確にしておく必要があるとしています。規程例では、賞与は算定対象期間に在籍した労働者に支給し、金額は会社の業績や本人の勤務成績などを考慮して決める形が示されています。そのため、休職したからといって必ずボーナスがなくなるとは限りません。査定期間のうち勤務していた期間がどのように評価されるかは勤務先によって異なるため、賞与規程を確認しておきましょう。
参照:厚生労働省 モデル就業規則

1年目・新人看護師でも休職できる?

新人看護師が休職できるかどうかは、勤務先の就業規則や休職規程で決まります。勤続年数によって休職できる期間を変えるなど、勤続年数を条件にしている勤務先もあるでしょう。新人看護師が心身の不調を抱えることは、珍しいことではありません。日本看護協会の「2025年 病院看護実態調査」によると、2024年度の新卒看護師の年度内離職率は8.2%でした。また、新卒看護師が年度内に退職した病院の看護管理者が考える主な退職理由は「健康上の理由(精神的疾患)」が54.6%で最も多い結果でした。そのうえで、新人看護師が知っておきたいポイントは、以下のとおりです。

・年次有給休暇は、労働基準法で「雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した」場合に10日付与されるため、入職直後はまだ有給休暇がないことがある
・協会けんぽの傷病手当金の支給条件には加入期間の要件がないため、1年目でも条件を満たせば受け取れる
・退職後も傷病手当金を受け取り続けるには、退職日までに継続して1年以上の加入期間が必要


休職するか迷ったら、ひとりで抱え込まず、看護師長や教育担当者、職場に産業医がいれば産業医に相談しましょう。
参照:日本看護協会「2025年 病院看護実態調査」結果(2026年3月31日 News Release)
参照:e-Gov法令検索「労働基準法」第39条
参照:協会けんぽ「傷病手当金」

看護師の休職後に復職もできる

看護師は、休職後に勤務先が定める復職条件を満たせば、元の職場へ復職できます。休職は、退職とは違い、体調が回復したら職場に戻ることを前提とした制度だからです。厚生労働省の「モデル就業規則」でも、休職の理由がなくなったときは、原則として元の職務に復帰させるという規程例が示されています。また、厚生労働省の「職場復帰支援の手引き」でも、復職するときは元の慣れた職場に戻るのが推奨されています。ただし、体調が回復すればすぐに戻れるとは限りません。主治医の判断や勤務先との面談などの手続きが必要です。
参照:厚生労働省「モデル就業規則(令和7年12月)」第9条
参照:こころの耳(厚生労働省)「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」

看護師が休職から復職するまでの流れ

休職から復職するまでには、主治医の判断や勤務先との面談など、いくつかの段階があります。ここでは、厚生労働省の手引きをもとに、復職までの流れを紹介します。

1. 医療機関にかかっている際は主治医に相談する
2. 勤務先へ復職の意思を伝える
3. 必要に応じて復職面談・診断書などを準備する
4. 復職後の勤務時間・夜勤・業務量などを相談する
5. 元の部署への復帰が難しい場合は異動も相談する。

●医療機関にかかっている際は主治医に相談する

体調が落ち着き、仕事に戻りたいと感じたら、まずは主治医に相談しましょう。主治医には看護師としての働き方を具体的に伝えておきましょう。
・夜勤や交代制勤務があるか
・1日の勤務時間や残業の状況
・受け持ち患者の人数や業務の内容 仕事の内容を踏まえて主治医が復職できると判断したら、以下のステップに進みます。

●勤務先へ復職の意思を伝える

主治医に復職できると判断されたら、看護師長や人事担当者に復職したい意思を伝えます。厚生労働省の「職場復帰支援の手引き」では、休業している人から復職の意思が伝えられると、勤務先は主治医の診断書の提出を求めるという流れが示されています。診断書には、復職できるという判断に加えて、就業上の配慮についての主治医の意見も書いてもらうようになっています。いきなり出勤するのではなく、まずは連絡をして勤務先の手続きを確認しましょう。
参照:こころの耳(厚生労働省)「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」

●必要に応じて復職面談・診断書などを準備する

復職するときは、勤務先が定めた手続きに沿って、診断書の提出や面談を行います。職場に産業医がいる場合は、産業医が主治医の意見と職場で必要な業務の内容を照らし合わせ、勤務先に意見を伝えます。最終的に復職を決めるのは勤務先です。また、勤務先によっては、正式に復職する前に「試し出勤制度」を設けている場合があります。どのような書類や面談が必要かは勤務先によって異なるため、人事担当者に確認しておきましょう。
参照:こころの耳(厚生労働省)「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」

●復職後の勤務時間・夜勤・業務量などを相談する

復職してすぐに休職前と同じ働き方に戻ると、体に大きな負担がかかるおそれがあります。看護師の場合は、以下のような点を看護師長や人事担当者と相談しておきましょう。
・最初は日勤のみにするなど、夜勤に入る時期
・勤務時間や残業の扱い
・受け持ち患者の人数や担当する業務の範囲
体調に不安があれば、しっかりと伝えておくのが大切です。

●元の部署への復帰が難しい場合は異動も相談する

復職は元の部署に戻るのが原則ですが、事情によっては別の部署への異動を相談するのもよいでしょう。厚生労働省の「モデル就業規則」でも、元の職務に戻すことが難しい、または適切でない場合は、ほかの職務に就かせることがあるという規程例が示されています。ただし、異動できるかどうかは、勤務先の判断や部署の状況によって異なります。主治医の意見も伝えたうえで、看護師長や人事担当者に相談しましょう。
参照:厚生労働省「モデル就業規則(令和7年12月)」第9条

看護師の休職後に元の職場に復帰が難しいときは?

休職後、元の職場にそのまま戻るのが難しいと感じることもあります。その場合、以下のような選択肢があります。

1. 部署異動や勤務形態の変更を相談する
2. 退職して療養を続ける
3. 自分に合った職場への再就職を検討する

●部署異動や勤務形態の変更を相談する

元の部署に戻るのが難しくても、同じ勤務先で働き方を変えられる場合があります。同じ病院の中でも、病棟によって業務の内容や忙しさ、夜勤の有無は異なります。たとえば、以下のような働き方を相談できる場合があります。
・別の病棟や外来など、ほかの部署への異動
・日勤のみの勤務や、勤務時間を短くした働き方
・常勤からパートなど、雇用形態の変更
どのような働き方を選べるかは、勤務先の制度によって異なります。退職を決める前に、勤務先の中で選べる働き方がないか相談してみましょう。
参照:厚生労働省「モデル就業規則(令和7年12月)」第9条

●退職して療養を続ける

体調が回復しきらない場合は、退職して療養に専念するのも一つの選択肢です。退職する場合は、お金や保険の手続きで以下の点を確認しておきましょう。
傷病手当金
退職日までに継続して1年以上加入しており、退職日に傷病手当金を受けているか受けられる状態であれば、退職後も引き続き受け取れます。
健康保険
退職後は、一定の条件を満たせば、それまで加入していた健康保険を最長2年間継続できる「任意継続」を選べます。協会けんぽの場合、任意継続には下記の条件があります。
・退職日までに、継続して2か月以上加入していること
・退職日の翌日から20日以内に手続きをすること
保険料は、退職前に給料から差し引かれていた額の2倍が目安です。退職後は、勤務先が負担していた分も自分で支払うためです。ただし、保険料には上限があり、退職時の標準報酬月額が32万円を超えていた場合は、32万円として計算されます。また、住んでいる都道府県と退職前に加入していた協会けんぽの都道府県が異なる場合などは、2倍の額にならないこともあります。なお、任意継続の期間中に新たに発生した病気やけがには、傷病手当金は支給されません。
雇用保険
雇用保険の基本手当(失業給付)を受け取れる期間は、原則として離職日の翌日から1年間です。この1年間に、病気やけがなどで30日以上続けて働けない場合は、ハローワークで受給期間の延長を申請できます。延長が認められると、本来の1年間に働けない日数を加えることができ、加えられる期間は最大3年間です。手続きの期限があるものも多いため、退職を決めたら早めに確認しておきましょう。
参照:協会けんぽ「傷病手当金」
参照:協会けんぽ「任意継続」
参照:厚生労働省「Q&A〜労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)〜」

●自分に合った職場への再就職を検討する

体調が回復したら、自分に合った職場への再就職を考えるのも一つの方法です。病院だけでなく、クリニックや訪問看護、介護施設など、看護師が働ける場所はさまざまです。働く場所によって、夜勤の有無や勤務時間、業務の内容は異なります。再就職の時期は、主治医と相談しながら、無理のないタイミングで決めましょう。なお、愛媛県ナースセンターでは、無料で看護職の求職登録や就職相談ができます。休職後の働き方に迷っている段階でも相談できるため、愛媛県で復職を目指す方はご活用ください。

愛媛県で看護師の再就職先を見つけるなら愛媛県ナースセンター

愛媛県で看護師の休職後に復職を目指すなら、愛媛県ナースセンターにご相談ください。
愛媛県から委託を受けて看護職の無料職業紹介を行っており、求職登録から就職相談まで無料で利用できます。
eナースセンターを利用して求人を探せるほか、就職までのサポートも受けられます。 休職後の職場選びでは、夜勤の有無や勤務時間、業務量など、体調に合わせて確認したい条件が多くあります。 どのような働き方が自分に合っているのか迷っている段階でも、就職相談を活用しながら考えていく方法があります。
また、離職期間があり復職に不安がある方に向けた実技研修をはじめ、就業を支援する講習会・研修も行われています。
「休職を経て、もう一度看護職として働きたい」と考えている方は、主治医とも相談しながら、愛媛県ナースセンターへの求職登録や相談をご活用ください。

まとめ
看護師の仕事は
休職と復帰もできる

看護師は、勤務先の休職制度の条件を満たせば、休職できます。休職できる期間や休職中の給料は勤務先によって異なりますが、条件を満たせば傷病手当金や労災保険の給付を受け取れます。仕事を続けるのがつらいと感じたら、まずは勤務先の就業規則を確認し、医療機関や看護師長に相談しましょう。

愛媛県ナースセンターがあなたの復職・再就職を支援します! 無料職業紹介のため、まずはeナースセンターに登録!

プライバシーポリシー

株式会社タカノ(以下「当社」)は、個人情報の保護に関する法令を遵守するとともに、以下のポリシーに則り、お客様の個人情報の保護を図ります。

お客様の個人情報をお伺いする場合

お客様が当ウェブサイトを利用される際、お客様の個人情報をお伺いする場合があります。お客様の個人情報をお伺いするのは、次のような場合です。

1.当社へのお問い合わせ
2.その他当ウェブサイトの利用上必要な場合

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個人情報の保護・管理について

当社は、お客様からお伺いした個人情報について、漏洩、改ざんなどの事態が生じないよう、最大限の注意を払って適切に保護・管理いたします。なお、お客様によりよいサービスをご提供するために、当社にて充分に信頼できると判断した外部企業(以下、業務委託先)に当ウェブサイトの運営業務を委託することがあります。この場合も、お客様の個人情報が適切に保護・管理されるよう、当社は業務委託先に対して指示・監督を行うなど、充分な注意を払います。

個人情報の開示について

当社は、個人情報を、お客様のご同意がない限り、業務委託先以外の第三者に開示することはいたしません。ただし、下記の項目に該当する場合は、お客様の個人情報を開示することがあります。

お客様が当社や他のお客様などに、不利益を及ぼす行為をしたことが判明したために裁判所、警察その他関係諸機関、および利害関係人などに通知する場合
官庁、裁判所、検察官、警察、弁護士会、消費者センター、またはそれらに準じる権限を有する機関から照会があった場合
その他の法令に基づいて、開示を求められた場合

個人情報の訂正・削除について

お客様の個人情報に誤謬や変更などがあった場合、または、お客様が当ウェブサイト上のサービスの利用を停止するにあたり個人情報の削除を希望される場合、当社までお申し出いただければ、すみやかに訂正・削除など必要な措置を講じます。

プライバシーポリシーの改訂について

当社は、お客様に安心して当ウェブサイトをご利用いただけるよう、本プライバシーポリシーを適宜見直し、改定していきます。 なお、改定されたプライバシーポリシーは、すみやかに当ホームページに掲載いたします。

個人情報窓口

当社への個人情報に関する(訂正・削除・使用停止等)お問合せ窓口は、以下にて受け付けております。

■名称
株式会社 タカノ
■住所
〒798-2103
愛媛県北宇和郡松野町大字岡豊442
■tel
0895-49-2723
■eメール
contact@nursing-ehime.jp

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