看護師の再就職手当はいくらもらえる?
受給条件・申請の流れを解説
看護師として再就職を考えている場合「再就職したら手当をもらえるの?」「自分はいくら受け取れる?」と、気になる方もいるでしょう。
この記事では、看護師が再就職手当を検討するときに確認したいポイントを、受給条件から金額、申請方法、注意点まで順番に解説します。
愛媛県で仕事を探している方向けに、看護職専門の就職支援を行う愛媛県ナースセンターについても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
看護師の再就職手当とは失業保険の早期再就職を支援する制度
再就職手当は、雇用保険の基本手当を受けられる方が、給付日数を一定以上残して新しい仕事に就いたときに支給される制度です。
退職後も基本手当を受け取り続けるのではなく、比較的早い時期に就職した方に対して支給されます。
前職で雇用保険に加入していた看護師が退職し、基本手当の受給資格を得ている場合には利用できる可能性があります。
ただし「看護師免許を持っている」「正社員として再就職した」といった理由だけで支給が決まるわけではありません。
待期が終わったあとに就職しているか、基本手当の日数が一定以上残っているか、再就職先で継続して働く見込みがあるかなどが確認されます。
そのため、退職後すぐに転職活動を始める看護師は、求人探しと並行して雇用保険の手続きも確認しておくとよいでしょう。
看護師の再就職手当と失業保険(基本手当)の違い
再就職手当と失業保険の基本手当は、どちらも雇用保険に関係する給付ですが、受け取る場面が異なります。
違いを整理すると、以下のようになります。
基本手当を所定給付日数いっぱいまで受け取ってから就職した場合は、手当を受けるために必要な残日数がなくなります。
反対に、基本手当を一定日数残して就職すれば、そのほかの条件を満たすことで対象になる可能性があります。
また、自己都合退職では給付制限に注意しましょう。
2025年4月1日以降に正当な理由なく自己都合で退職した場合、給付制限は原則1か月です。過去の自己都合退職の回数などによっては3か月になる場合もあるでしょう。
再就職手当を希望する場合は、給付制限の期間だけでなく、待期期間満了後1か月間の就職経路にも条件があるため、事前に確認しておくと安心です。
参照:厚生労働省 令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
看護師における再就職手当の受給条件
看護師が再就職するときは、下記のポイントを確認しましょう。
1. 7日間の待期期間満了後に就職すること
2. 基本手当の支給日数が3分の1以上残っていること
3. 1年以上継続して勤務する見込みがあること
4. 雇用保険の被保険者として就職すること
5. 離職前の勤務先へ再就職していないこと
6. 給付制限期間中は紹介方法に条件があること
7. 過去3年以内に再就職手当を受給していないこと
8. 求職申込み前に内定していた会社へ就職していないこと
●7日間の待期期間満了後に就職すること
まず、雇用保険の受給手続きを済ませたあと、7日間の待期が終了してから働き始める必要があります。この期間は、受給資格が決まったあとに、実際に失業している状態かどうかを確認するために設けられています。ただし、手続きをした日から単純に7日数えればよいわけではなく、待期中に就労して失業状態と認められない日があると、その日は待期の日数に算入されません。入職日が早い場合は、待期がいつ完了するのかを確認しておくとよいでしょう。なお、再就職手当の受給可否の確認や雇用保険に関する申請・手続きは、ハローワークが窓口です。7日間の待期についても、就労した日などによって終了日が変わる場合があるため、入職日が近い場合は住所地を管轄するハローワークで確認してください。一方、愛媛県内で看護職として再就職先を探す場合は、愛媛県ナースセンターを活用できます。ここでは、看護職を対象とした無料職業紹介や就業相談、復職支援などを行っているほか、県内各地域のハローワークでもナースセンターによる就業相談を実施しています。愛媛県内での看護職の仕事探しや就業相談は、愛媛県ナースセンターを利用してみましょう。
愛媛県ナースセンターに相談してみる
●基本手当の支給日数が3分の1以上残っていること
再就職時点で、基本手当の受給可能日数が一定以上残っているかも確認しましょう。具体的には、就職日の前日までに失業認定を受けたあと、所定給付日数の3分の1以上が未支給である必要があります。また、残日数が所定給付日数の3分の2以上であれば支給率は70%、3分の1以上であれば60%です。つまり、ほかの要件を満たしている場合、基本手当を多く残した段階で再就職するほど、手当の金額も大きくなりやすいと考えてよいでしょう。
●1年以上継続して勤務する見込みがあること
新しい職場で、1年を超えて働くことが確実と判断できることも求められます。たとえば、期間の定めがない正社員として採用されるケースは該当しやすい一方、契約期間が1年以下で、その後の更新予定がない場合は対象にならないことがあります。派遣看護師についても、雇用期間が短く、更新によって1年を超える勤務になる見込みがなければ、この条件を満たしません。そのため、正社員・パート・派遣といった雇用形態だけを見るのではなく、契約期間や更新予定まで確認することが大切です。
●雇用保険の被保険者として就職すること
再就職先では、原則として雇用保険の被保険者となる条件で働く必要があります。常勤の看護師に限らず、パートや派遣であっても、雇用保険への加入条件とそのほかの要件を満たしていれば、対象になる可能性があります。勤務時間や契約期間によって雇用保険への加入可否は異なるため、雇用契約書や求人票で確認しておきましょう。
●離職前の勤務先へ再就職していないこと
前職と同じ病院や施設に再び雇用される場合は、再就職手当の対象にはなりません。さらに、勤務先の名称が別であっても、離職前の事業主と資本、資金、人事、取引などの面で密接につながっている事業主への就職も対象外です。看護師の場合、同じ医療法人が複数の病院やクリニック、介護施設を運営していることがあります。そのため、別施設への転職であっても前職との関係が深いケースでは、支給対象になるか事前にハローワークへ確認しておくとよいでしょう。
●給付制限期間中は紹介方法に条件があること
自己都合退職などで給付制限を受ける場合は、再就職する時期だけでなく、どのような方法で再就職先の紹介を受けたかにも注意しましょう。2025年4月1日以降、正当な理由なく自己都合で退職した場合、基本手当の給付制限は原則1か月です。ただし、離職日前5年間に、正当な理由のない自己都合退職による受給資格決定を2回以上受けている場合などは、給付制限が3か月になることがあります。給付制限を受ける方が、7日間の待期期間満了後1か月以内に再就職する場合、ハローワークまたは許可・届出のある職業紹介事業者の紹介によって就職することが、支給要件の一つです。そのため、この期間に求人サイトなどで自ら求人を探して直接応募した場合は、ほかの要件を満たしていても再就職手当の対象になりません。また、愛媛県内で看護職の再就職先を探している方は、愛媛県ナースセンターを利用するのもよいでしょう。ここでは、求職中の保健師・助産師・看護師・准看護師・看護学生(来春卒業生)を対象に、無料で職業紹介を行っています。登録すると希望に合った求人情報の提供を受けられ、希望する求人施設があれば、愛媛県ナースセンターから施設へ連絡し、見学・面接日時の調整も行ってもらえます。また、無料職業紹介サイト「eナースセンター」では、インターネット上で求人情報の検索や紹介依頼などを行うことも可能です。
愛媛県ナースセンター「eナースセンター」で求人情報を見てみる
なお、再就職手当の受給可否や雇用保険に関する手続きの窓口はハローワークです。
愛媛県ナースセンターを利用して再就職する場合も、紹介方法を含めて再就職手当の支給要件を満たすかどうかは、事前に管轄のハローワークへ確認しておくとよいでしょう。
参照:厚生労働省 令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます
また、一定の教育訓練等によって給付制限が解除されたケースでも、待期満了後1か月間の就職については、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介が必要です。
●過去3年以内に再就職手当を受給していないこと
今回の就職日からさかのぼって3年以内の就職について、再就職手当または常用就職支度手当を受けていないことも確認されます。以前にも転職を経験し、その際に受給した看護師は、前回の支給時期を確認しておきましょう。なお、雇用されて再就職した場合だけでなく、事業を始めたことによって受給した手当も、この3年間の受給歴に含まれます。
●求職申込み前に内定していた会社へ就職していないこと
ハローワークで求職申込みを行う前から採用が決まっていた勤務先へ就職した場合は、支給対象にはなりません。この制度は、基本手当の受給資格決定後に新たな就職先を見つけ、早期に再就職した方を対象としているためです。たとえば、前の職場に在籍している間に別の病院や施設から内定を得ており、その後に退職して雇用保険の受給手続きをしたケースでは、対象外となる可能性があります。再就職手当を検討している場合は、求職申込みをした日と採用内定日の前後関係も確認しておきましょう。
参照:厚生労働省Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
参照:ハローワーク 再就職手当のご案内
なお、愛媛県で再就職先を探している看護師は、愛媛県ナースセンターの無料職業紹介を仕事探しの選択肢として利用できます。ただし、支給対象になるかどうかは、雇用保険上の要件を満たしているかによって判断されます。就職経路や受給条件に不明点がある場合は、ぜひ愛媛県ナースセンターへ求人探しや就業条件についてご相談ください。
看護師の失業期間中にパートやアルバイトをしたら再就職手当はどうなる?
次の職場が決まるまで、短時間勤務で収入を得たいと考える看護師もいるでしょう。その場合、パートやアルバイトをしたことだけを理由に、直ちに再就職手当の対象外になるわけではありません。ただし、働く時間やタイミングによって、待期期間や基本手当の支給に影響するため注意しましょう。受給手続き後の7日間のうち、働いたことで失業状態ではないと判断された日は、待期として数えられません。そのため、働き方によっては、7日間の待期が完了する時期が遅れる可能性があります。また、待期後にパートやアルバイトをした場合も、労働時間によって扱いが異なります。ハローワークでは、原則として1日の労働時間が4時間未満の場合は「内職・手伝い」、4時間以上の場合は「就労・就職」として扱うと案内しています。さらに、パートやアルバイトという名称であっても、週20時間以上の継続的な仕事に就いた場合は「就職」として扱われます。再就職手当の受給を考えている場合は、短時間のアルバイトであっても勤務時間や契約内容を確認しておくとよいでしょう。なお、パートやアルバイト、研修などをした場合は、収入の有無にかかわらず認定日に申告する必要があります。申告せずに基本手当などを受給すると不正受給と判断される可能性があるため、働いた日や労働時間、収入額を正確に申告しましょう。
参照:厚生労働省 Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~
参照:ハローワーク渋谷 雇用保険求職者給付(失業保険)についてお問合せが多い項目(Q&A)
看護師の再就職手当はいくら?計算方法を紹介
1. 再就職手当の計算方法
2. 再就職手当の計算例
3. 基本手当日額の上限
4. 支給残日数の確認方法
5. 再就職後の賃金が下がった場合は就業促進定着手当を受給できる可能性がある
●再就職手当の計算方法
再就職手当の金額は、以下の式を使って算出します。
基本手当日額×基本手当の支給残日数×支給率
(※支給率は、就職した時点で基本手当が何日残っているかによって変動)
基本手当を受け取れる日数が3分の2以上残っている段階で再就職した場合は70%、3分の1以上残して再就職した場合は60%です。基本手当日額が同じであれば、支給残日数が多い段階で再就職したほうが受け取れる金額も大きくなるでしょう。ただし、再就職手当だけを優先して勤務先を決めるのではなく、長く働ける勤務時間や夜勤回数、休日、業務内容なども確認したうえで転職先を選びましょう。
●再就職手当の計算例
実際の数字を当てはめて、おおよその手当をイメージしてみましょう。たとえば、基本手当日額が4,000円、所定給付日数が90日で、90日すべてを残して再就職したとします。この場合は、所定給付日数の3分の2以上が残っているため、支給率は70%。計算すると、受給額は252,000円になります。また、基本手当日額が4,000円、所定給付日数が270日で、そのうち178日を残して再就職し、支給率60%が適用される場合は427,200円です。正確な金額を知りたい場合は、手元の雇用保険受給資格者証を確認するか、管轄のハローワークで確認しましょう。
●基本手当日額の上限
再就職手当の支給額を計算する際に用いる基本手当日額には、年齢に応じた上限が設けられています。2026年(令和8年)8月1日時点における、再就職手当の算定に用いる基本手当日額の上限は、以下のとおりです。
・59歳以下:6,745円
・60~64歳:5,454円
※2026年(令和8年)8月1日時点
参照:再就職手当のご案内
たとえば、59歳以下の方で雇用保険受給資格者証に記載された基本手当日額が7,000円だったとしても、再就職手当の計算では上限の6,745円を用います。なお、この上限額は毎年8月1日に見直されます。再就職手当を申請する際は、厚生労働省やハローワークが公表している最新情報を確認しましょう。
参照:厚生労働省 雇用保険の基本手当日額が変更になります
参照:ハローワーク就職促進給付
●支給残日数の確認方法
再就職手当の金額を知るためには、基本手当があと何日残っているのかを把握しておきましょう。支給残日数とは、所定給付日数のうち、就職日の前日までに失業認定を受けたあとも未支給で残っている日数です。たとえば、所定給付日数が90日で、すでに20日分の基本手当を受け取っている場合は、残り70日になります。このケースでは、90日の3分の2にあたる60日以上が残っているため、ほかの要件を満たせば70%の支給率が適用されるでしょう。ただし、支給残日数は「所定給付日数から退職後の経過日数を引けば分かる」というものではありません。失業認定を受けた日や実際に就労した日なども関係するため、正確な残日数は雇用保険受給資格者証で確認するか、ハローワークへ問い合わせましょう。
●再就職後の賃金が下がった場合は就業促進定着手当を受給できる可能性がある
再就職手当を受給したあと、再就職先での賃金が前職より低くなった場合は「就業促進定着手当」の対象になる可能性があります。対象となるには、再就職手当の支給を受けたうえで、その再就職先に6か月以上雇用されていることなど、所定の条件を満たさなくてはいけません。さらに、再就職後6か月間に支払われた賃金が、離職前の賃金より低くなっていることも条件の一つです。看護師では、夜勤のある病棟勤務から日勤のみのクリニックや施設へ移ることで、収入が下がるケースも考えられます。このような場合は、就業促進定着手当の対象になるか確認してみるとよいでしょう。なお、再就職先での勤務期間が6か月に満たないまま退職した場合は、就業促進定着手当の対象にはなりません。
参照:ハローワーク就職促進給付
看護師が再就職手当を受け取るまでの流れ
1.ハローワークで求職の申し込みをする
2.就職先が決まる
3.再就職手当を申請する
4.支給決定・振込
●ハローワークで求職の申し込みをする
●就職先が決まる
●再就職手当を申請する
再就職したあとは、必要な書類をそろえて申請しましょう。申請には「再就職手当支給申請書」を使用し、再就職先に記入してもらう項目もあります。勤務を始めると仕事に慣れることを優先しがちですが、申請には期限があるため注意が必要です。支給申請書は、就職した日の翌日から1か月以内に提出してください。書類の記入や準備に時間がかかることも考え、入職後は早めに申請準備を進めましょう。
●支給決定・振込
看護師の再就職手当が支給される時期は?
再就職手当は、申請書を提出した直後に受け取れるわけではありません。
ハローワークでは申請を受け付けたあと、支給条件に該当しているかを確認してから支給の可否を判断します。
そのため、申請から振込までにかかる期間は一律ではなく、審査内容によって異なります。
申請後の状況を確認したい場合は、本人確認書類を持参したうえで、申請先のハローワーク窓口で確認してみてください。
参照:厚生労働省 Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)Q41
看護師が再就職手当を申請するときの注意点
1. 必ず期限内に申請する
2. 自己都合退職は給付制限に注意する
3. 離職前の職場へ再就職すると対象外になる場合がある
4. 短期間で退職すると支給対象外になる場合がある
5. パート・派遣でも受給できる場合がある
●必ず期限内に申請する
再就職手当の申請は、就職した日の翌日から1か月以内に行ってください。再就職後は、新しい職場で仕事を覚えたり各種手続きをしたりと忙しくなりやすいため、申請を後回しにしないことが大切です。支給申請書には、再就職先に記入してもらう箇所もあります。書類を受け取ったら早めに勤務先へ記入を依頼し、提出に必要なものをそろえておきましょう。ハローワークでは、本人が窓口へ持参する方法のほか、郵送や代理人による提出も案内されています。利用できる提出方法や必要書類について不明な点があれば、管轄のハローワークへ確認してください。
参照:ハローワーク犬山 再就職手当について
●自己都合退職は給付制限に注意する
●離職前の職場へ再就職すると対象外になる場合がある
●短期間で退職すると支給対象外になる場合がある
●パート・派遣でも受給できる場合がある
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まとめ
看護師の再就職手当を活用してスムーズに再就職を目指そう
看護師も、基本手当の受給資格や再就職時の条件を満たしていれば、再就職手当を受け取れる可能性があります。支給額は基本手当日額や残っている給付日数、再就職のタイミングによって異なります。また、待期、雇用期間、雇用保険への加入状況、応募経路なども確認が必要です。受給できるか判断が難しい場合はハローワークへ確認し、愛媛県内で仕事を探す場合は愛媛県ナースセンターも活用しながら、自分に合う勤務先を探してみましょう。